【質問】
悪霊は機会さえあれば、人の中に入って行こうとしますが、それはどうしてでしょうか?
悪霊は機会さえあれば、人の中に入って行こうとしますが、それはどうしてでしょうか?
人間の霊魂は肉体を幕屋にします。霊魂が肉体の幕屋を離れるときに、私たちはこれを指して「死んだ」といいます。人の霊魂は常に肉体という幕屋の中にとどまろうとします。悪霊は本来、肉体をもっていた者であり、自分の肉体を失った後でも依然として肉体を懐かしみ、常に他の人の肉体の中に入って行こうとします。肉体を離れるのは悪霊にとってとても苦しいことです。それゆえ、悪霊は機会さえあれば、人の肉体の中へ入って行こうとします。
「汚れた霊が人から出て行って、水のない地をさまよいながら休み場を捜しますが、見つかりません。そこで、『出て来た自分の家に帰ろう』と言って、帰って見ると、家はあいていて、掃除してきちんとかたづいていました。そこで、出かけて行って、自分よりも悪いほかの霊を七つ連れて来て、みな入り込んでそこに住みつくのです。そうなると、その人の後の状態は、初めよりもさらに悪くなります。邪悪なこの時代もまた、そういうことになるのです。」(マタイ12:43~45)
悪霊がある人の肉体から出て行きました。悪霊は水のない地をさまよいながら休み場を捜します。ここでいう水とは何でしょうか? 悪霊が川を恐れるでしょうか? 海を恐れるでしょうか?
「そのことは、今あなたがたを救うバプテスマをあらかじめ示した型なのです。バプテスマは肉体の汚れを取り除くものではなく、正しい良心の神への誓いであり、イエス・キリストの復活によるものです。」(Ⅰペテロ3:21)
水とは正しい良心が神を探し求めていくことを指します。悪霊が人から出て行くと、悪霊は神を慕い求めるという正しい良心がない者を捜して歩きます。ところが、そのようなところはすでに他の悪霊が入って行って陣取っているために、自分が入って行って休み場を得ることはやさしくありません。仕方がなく自分が前にとどまっていた家に再び帰ってみると、その家がきれいに掃除されていて、誰も暮らしていないのを発見します。それで、今度は自分よりもさらに悪い悪霊7つを連れて入り込みます。前に一度追い出された体験がある悪霊は自分の力だけではその人の信仰に勝つことができないと考えて、自分よりもさらに悪い悪霊を連れて入り込むのです。
このように悪霊は人の肉体を自分の家と考えます。何年間もその家にいれば、その家を自分のものと考えます。人は自分の体をどんなに大事に考えるでしょうか? 自分の体に長くとどまっていたくて、補薬(ほやく)(訳者注: 漢方で体力を補うための薬)を飲んで運動をします。どんなに年を取った人でも病気にかかれば、生きるためにさまざまな手段を動員します。このように悪霊も本来、人であったために、肉体という幕屋にとどまることを切に願うのです。
(金箕東 著 『悪魔論(下)-悪霊とは』より)