金箕東 牧師
金箕東牧師は1938年という歴史の激動期に、貧しい田舎の家庭の五男として生まれた。19歳になるときまで、あらゆる人生の荒波を一身に受けながら家庭を守ろうとしたが、力が足りず、いつも死を考えていた。そのような苦悩の中で彼は劇的にイエスと出会った。彼の信仰ははじめから並外れていた。教会にはじめて出席した週に開かれたリバイバル集会に参加し、 「悔い改めなさい」という復興師(リバイバリスト)の言葉通りに純粋に悔い改めたが、悔い改める中で聖霊を受けて異言を語りはじめ、9時間以上、祈り続けた。その日から彼は祈りと御言葉と奉仕に専念しながら、聖書を1年間で42回、平信徒として信仰生活を送った5年間で75回、読んだ。
神は彼が祈りと御言葉に専念して主を慕い求めていたことを覚えられた。そして、彼を力のしもべとして召して、自分の働きを委ねられた。1962年5月のことであった。その日から彼はただの青年、金箕東ではなかった。口を開けば、血のような神の御言葉が宣べ伝られた。病人に手を置けば、力が滝のようにあふれ出て来て、足のなえた者が立ち上がり、目の見えない者が目を開き、死んだ者が生き返った。イエスの名によって命じるたびに悪霊が泣き叫びながら離れて行った。そのような働きが一度だけではなく、続けて現れた。そうだ。彼はこの世が担うことができない神の人になったのである。
それ以降、彼は突然、吹き出した激しい風のような人生の旅路に従って、思いのままに吹く風のように働いた。しるしと力をもって目に見えない神を証しし、神の意図を絵としてはっきりと説き明かした。そして、主がこの地に立てようとしておられる、キリストの切なる願いである新約教会が聖楽教会として実現した。そのような彼が自らを「視無言」と語ったのは人のことに干渉せず、ただ神の働きにだけ全身全霊で献身しようとする、主の御前での信仰であった。
彼はもはや小さな者ではない。40年前に7人だった開拓教会は現在、世界最大級のバプテスト教会となった。学んだこともなく涙によって祈った彼は牧会学博士と神学博士の学位を備え、ベレヤ国際大学院大学の総長を歴任し、数多くのしもべや神学者を輩出している。信仰運動の面においても御言葉に還ろうという「還言運動」の旗印のもと、聖書に似ることを目指すベレヤ運動を力強く展開している。また、牧会者を対象とした海外宣教活動は中南米や東南アジア、ヨーロッパ、アフリカを網羅した全世界にわたっている。彼がこれまで飛行機に乗って移動した距離は200万キロメートル、地球40周分にも及ぶ。
彼はキリスト教著作家としてキリスト教関連の著書を250冊執筆するなど、盛んな執筆活動をしている。彼は神が悟らせた神の意図を自分の子孫に知らせようという心情をもってこれらの著書を執筆している。これらの著書は多様な主題、多様な角度から神の意図を明らかにしている。また、これらの著書は現在、30言語によって翻訳され、60万冊以上が世界のさまざまな国に普及している。さらに、彼は随筆家、詩人として文学活動も続けている(韓国で文学賞を多数受賞)。
1969年11月、開拓礼拝をささげたのちに、聖徒7人と「10人を与えてください。」と喉をからして願い求めた祈りは40年で在籍人数18万人、世界各地に散らばっている数十万人のベレヤ人という、驚くべき応答となった。「土地よ、来なさい!」と叫んだ声は15,000人が同時に礼拝をささげることができる世界最大級の礼拝堂、各地域に建てられた礼拝堂、付属施設という応答となって現れた。彼は「世界はわが教区だ!」と叫びながら、さらに主の大きな働きをするために今日もひざまずいている。
【略歴】
1938年6月25日 大韓民国 忠清南道 瑞山 出生
雅号: 視無言、月山
牧師、随筆家、詩人
神学博士(Th.D., S.T.D.)、牧会学博士(D.Min.)、名誉神学博士(D.D.)
聖楽教会 元老監督
学校法人 ベレヤ・アカデミー学院 理事長
ベレヤ国際大学院大学 前総長
財団法人 キリスト教ベレヤ・アカデミー振興財団 前理事長
イギリス・オックスフォード大学 Harris Manchester College 名誉理事
アメリカ・SBU「金箕東博士教会成長学科」 前特任教授
韓国文人協会 会員
国際ペンクラブ 韓国本部 会員
財団法人 月山財団 理事長
【学歴】
1970.2 韓国 明知大学 国文学科 卒業
1981.2 韓国 バプテスト神学大学 牧会大学院 卒業
1985.12 カナダ Canada Christian College 牧会学博士(D.Min.)
1987.5 アメリカ Southwest Baptist University(SBU) 神学博士(S.T.D.)
1993.5 カナダ Canada Christian College 神学博士(Th.D., D.D.)
【受賞(文学とその他)】
(文学)
1997.1 故・趙敬姫氏の特別推薦により随筆家として登壇
1997.11 第3回 韓国文学芸術賞(「随筆」部門) 受賞
2004.2 第22回 韓国随筆文学賞 受賞
2006.4 第7回 ポストモダン作品特別賞(「詩」部門) 受賞
2007.1 キリスト教ニュース作品大賞(「詩」部門) 受賞
2008.4 韓国文人新人文学賞(「詩」部門) 受賞
2010.11 韓国日報大韓民国文学グランプリ(「詩、随筆」部門) 受賞
2012.12 第5回 韓国文学百年賞 受賞
2014.10 第12回 素月文学賞 本賞 受賞
(その他)
1991.3 韓国発明特許協会 「今月の優秀発明家」 選定
1996.12 大韓赤十字社 感謝牌
2008.3 大韓民国宗教グランプリ(世界宣教部門) 受賞
2008.12 韓国を光輝かせた、誇らしい韓国人大賞(キリスト教発展功労部門) 受賞 他多数
【著書】
詩集: 『胸に描いた美花』他、9冊
随筆集: 『語りがある山』他、6冊
随筆録: 『わが生涯に』他、14冊
コラム: 『私は見ても口のきけない者のように生きる』他、6冊
キリスト教図書: 『伝道原理』、『ベレヤ原講』他、200冊余り